何度有利自身が後悔しても、止めようと理性が努力しても。
動き始めた感情の言葉は。
付いた過去のあだ名、トルコ行進曲のように止まる事を知らない。


「反省も、言い分も聞かないで結論を決め付けるのは悪い事だ!そんなの当たり前だろ!?理由がなければ行動は起こさない。でなければ、裁判所もいらないし、弁護士だって必要なくなっちゃうじゃないか!!」


「ユーリ、落ち着いてっ」


窘めるコンラートの声さえも聞こえない。


「リーヴェの中で、命令で人を殺すのは罪じゃないのか!?」


「命令でなくとも、罪だとは思いません」


「誰も、言わなかったのか?人を殺すことが罪だって」


「はい」


そのあまりに軽く返された返事に、有利の堪忍袋の尾が切れ。
リーヴェの頬をグーで殴ると、喧嘩の啖呵を切るように、彼女に向かって宣言した。


「じゃあおれが言ってやる!人を殺すことは罪だ!もう人を殺したりするな!絶対だ!!」


「はい、分かりました」


リーヴェは有利のその言葉を聞くと、一礼し、その場を素早く後にした。
現れた、路地裏に消えるように。



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