壊れかけた少女を見付けたのは、大シマロンの密偵だった。


「よう、お嬢さん。こんな所に一人で残されて、可哀相だね」


下品に笑う声さえも、もうリーヴェには届かない。


「あの男、アルノルドにいただろう?」


「え?」


その言葉に反応し、見上げるとそこには三人の男が立っていた。
反射的に戦う体制をとろうとするが、未だ身体が恐怖に震え、上手く動かない。


「オレ等も此処にいたら時期に殺されるだろうな。なぁ、お嬢さん。ちょっとくらい、イイ思いをさせてくれよ?」


そう言ってリーヴェの腕を掴む。


「離して!」


果敢にも戦おうとしたが剣を持っていないことに気付き、少し慌て始めた。
流石に大の男三人をエモノ無しで相手にするのは分が悪過ぎる。


「おっと、大人しくしてくれよ?楽しいことするんだからよ」


「い、いや!誰か……誰か!!」


その後のことはリーヴェしか知らない。


次の日の朝、コンラートの見送りを逃したヨザックが彼女を見付けるまでは。
その時のリーヴェは、ぼろ雑巾のように服も髪も乱れ、白い液体に塗れた悲惨な状態だった。





言葉
(決定打は感情によって打たれた)



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