「ありがとうございます。では無事帰国し、隊長に会わなければなりませんね」
「えぇ。……ねぇ、リーヴェ。貴女が羨ましいわ」
「えっ?」
「コンラートのこと、よろしくね」
リーヴェはその意味がわからなかった。
日の出と共に再戦した戦場では、今まで以上に激しい戦いが繰り広げられた。
勿論、リーヴェも第一線に立ち、多くの軍人を相手にした。
どれ位時間が経ったのであろうか。
誰かが、相手の指揮官の首を掲げた。
その瞬間、勝利は眞魔国のものとなったのである。
湧き上がる気持ちを抑えて、リーヴェはジュリアの下に急いだ。
きっと彼女も心待ちにしているに違いないと思って体力が尽きるまで走った。
しかし、テントに着いたリーヴェの目に飛び込んで来たモノは信じられない……紅い、紅い光景。
「フォンウィンコット卿!?」
「……リーヴェ?」
身体から大量の血を流し、今にも倒れてしまいそうなジュリア。
「何が!?いえ、しゃべってはいけません!!いま、治療を……ッ」