「……分かった。少し休ませて貰うわね」
意志が伝わったのか、しぶしぶながらもジュリアは休憩を承諾した。
テントの奥で布団に蹲り、程なくして可愛らしい寝息が聞こえてくる。
「では皆さん、フォンウィンコット卿の護衛を頼みます。私達を救ってくれた彼女を必ず守ってくださいね」
五人の兵士にジュリアの護衛を任せ、リーヴェは傷付く体に鞭を打って戦場に舞い戻った。
戦場は刻一刻と悲惨なものになっていった。
先が全く見えない戦場で、リーヴェも必死に戦う。
──テントでは彼女が必死に仕事をしている。私も負けるわけにはいかない!!
リーヴェは隊長であるコンラートから直々にジュリアの護衛を頼まれて、アルノルドからジュリアのいるこの戦場へと派遣された。
しかし、いざ現場に着くと、その悲惨な現状に第一線で戦うことを余儀なくされた。
勿論、リーヴェが第一線で戦う変わりにジュリアに付く護衛の人数を増やしてもらったのだが。