「洋平君、お兄ちゃん知りませんか?」


「花道なら屋上行ったよ」


笑顔で「ありがとう」と言う葉月ちゃんは花道にちっとも似てなくて、カワイイ。















「でもハルコちゃんからのご指名だから、止めた方が良いかもな」


昼休み。
つい先程、珍しくクラスにやって来た晴子はバスケ部のミーティングを連絡に来たのだった。
勿論、赤木が直接来れば花道が着いて来ないのを考慮に入れて。


結果は言わずもがな。
猫にマタタビではないが、花道は晴子に釣られてさっさとミーティングに向かったのだった。


水戸からすれば、今の花道は晴子を使わなくともきちんとミーティングに参加すると断言出来る。
入部理由はかなり不純だったが、バスケットにハマっているのが分かるから。


──バスケットマンらしいからな。


部活中の花道を想像して、水戸はクスッと笑った。


「晴子ちゃんが?それは邪魔になっちゃいますね」


葉月が少し悲しそうにしたのを水戸は見逃さない。


「花道に用事だった?」


「お弁当、忘れて行ったので」



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