耳に直接響く仙道の甘い声。
この声で、この余裕で、この身体で、一体今までどれだけの女の子を虜にしたのだろう。
高校生にしては、いや男にしても、有り余るほどの色気で。


「仙道君」


「はい」


「“ちょっと”の本気ならお断り。ついでに平均点も取れない子は、もっとね」


兎、の名前のように軽く爪で仙道の手を攻撃する。
引っ掻き後が残る程度に。


思わず仙道が手を離せば、ニッコリと楽しそうに笑う葉月がいた。


「あんまりちょっかい出すと、噛まれるわよ」


その、挑戦的な態度が、表情が、仙道の欲を更に煽っていることなんて知らないのだろう。


兎のように弱そうで、怖がりで。
兎のように挑戦的で攻撃的。
そして何より仙道の雄を刺激してやまない、その全てが。


「意地悪」


仙道のプライドに火を点けていた。





好きです、兎先生
(監督、休みください)
(怪我でもしたのか?)
(葉月ちゃんとデートしたいんです)

お題拝借:少年チラリズム 様




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