「何、俺のせいなのォォォォォォ!?」
「お、トシ、総悟、葉月ちゃん!丁度良かった。聞いてくれ、今繁華街でお妙さんと会ったんだ!!」
「近藤さん、アンタもかよ!?」
いつの間にストーカーから帰って来たのか分からない近藤局長に、半場呆れながらも土方副長の顔はどこか優しい。
ふいに私は彼等のやり取りを聞いて閃いた。
──そうだったんだ!!
何時もと同じやり取り。
何時もと同じ真選組の日常。
でも、それは私には違うものに見えた。
──あぁ、そうだったんだ。
クスリと笑って隣に座る沖田隊長に耳打ちした。
「私、捕まっちゃったんですよ。きっと」
沖田隊長が訝しげな瞳で私を見たが気にはならない。
分かってしまったから。
清々しい顔をして腰を上げた。
「市中見回り行ってきます」
そう。
初めは黒の服と瞳しか印象に残らなかった。
でも、心に残ったのはあの真っ直ぐで強い瞳。
その瞳に私の全てを預けられる。
その瞳に捕まってしまった。
他なんてもう見られないくらいに。
でも、その瞳はたった一人の人しか見ていない。
たった一人、その人にとっての真っ直ぐで強い瞳しか。