初の女隊士希望者だったらしく、その面接と審査は難航した。
とはいったものの、結果的には近藤局長に熱意が伝わり正式に許可が下りたのだが。
しかし、入隊後一週間が経った今でも女というだけで嫌がる隊士は多いし、風当たりが冷たいのも事実である。
近藤局長を納得させた理由、それは“女性のための警察官になりたい”ということ。
江戸では女性関係の事件も多発しており、男性では聞きにくい女性特有の理由もあったりと、私は入隊してからこの一週間休む暇もなく走り回っていた。
「面接の理由も一理あるのですよ。ただ、それだけではないだけです」
苦笑してみても沖田隊長は食い下がってくれない。
「理由、言ったら引きますよ?」
「そりゃ、是非聞きたいねィ」
本心からなのか、ただの暇潰しのためなのか。
どちらにしても沖田隊長の顔を見ていられず、私は少し俯いて答えた。
「……土方副長が、真っ直ぐな瞳をしているからです」
「はァ?土方コノヤローが何だってィ?」
聞こえたくせに。
だからかな。
少し沖田隊長をからかってみたくなった。