それは黒い服と真っ直ぐで強い瞳。
「葉月は何で真選組に入隊したんでィ?」
私は驚いて振り向き、沖田隊長を見詰めた。
普段、土方副長の命ばかり狙っているドS星の変態皇子が私に興味を持つなんて珍しい。
──明日は槍が降るかなぁ。
なんて思ったり。
「沖田隊長も女が隊士であることが許せませんか?」
「相変わらず口を開けば皮肉だねェ。違いやさァ、ただ興味があるだけ」
人を嘲笑うかのような妖しい笑みを浮かべ「まぁ座りな」と縁側を勧められた。
断る理由もないし、勧められた通り沖田隊長の横に腰掛け、その中身とは裏腹に可愛らしい顔を覗いても、やっぱり心までは読めなかった。
「私に興味を持つなんて何かあったのですか?理由なら入隊面接の時にお話した通りですよ?」
「あぁ、あのタテマエかィ?俺ァ本心が聞きたいんでさァ」
嘘がばれていたなんて。
流石沖田隊長といったところか。
そもそも私が真選組に入隊したのはつい先週のこと。