“は?”
と、言いたげにポカンとする彼女に「実は私の家の冷蔵庫も丁度食材が切れてしまいましてね」と、付け足す。
それに納得した葉月はニコリと微笑んだ。
赤屍のプライベートを知り、意外と抜けている所に思わず母性本能を擽られて。


「勿論です。一緒に買い物に行きましょう」


そうして、二人は夕焼けで朱く染まる新宿に消えて行った。















はずだった。


「考え事とは妬けますね」


葉月は赤屍の声に、意識を現実へと引き戻した。


“ご一緒”したはずの買い出しから何をどうすれば、こんな危険なことになってしまったのか。
問題なく“ご一緒”したお互いの晩御飯の買い出しを終え、お互いの家路に着くはずだったのを、何故か赤屍の家で“ご一緒”に晩御飯を食べ、そして……。


どれだけ夢だと思っても、紛れもない感触と熱くなる身体が現実を重く突き付ける。
こんなことまで“ご一緒”するつもりなどさらさらなかったのに。



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