彼の瞳から怒りの炎が燃え上がる。


「アー……もうアッス君にバレちゃった、みたい?」


おどけてみるスマイルと、クックッと含み笑いをするユーリを見て、アッシュはハヅキの部屋へ向かってハヅキ同様全力で走って行った。


残された二人はリビングのテーブルに残された、デザートのカボチャケーキを一切れずつ食べ合い、今頃、ハヅキの損ねた機嫌を必死に直そうとしているであろう同胞を思って祝杯をあげた。


「「TRICK or TREAT?」」


そしてお互い心ゆくまで笑い、どちらからともなく心中を明かす。


「たまには我々がハロウィンに悪戯を仕掛けても問題ないだろう?」


「ぼくらだけ毎年やられっぱなしなんて、考えられないしネ」



──その日の夜、結局ハヅキの機嫌を直すことが出来なかったユーリ城の玄関先には、出番がなくなったジャック・オ・ランタンと、一枚の貼紙がなされていた。



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│ ハロウィン入城禁止 │
│危険な妖怪の住み処です│
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ハロウィン注意報
(それが彼等なりの楽しみ方)

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