それを見て顔を蒼白にしたアッシュは二人を睨みつける。
「ユーリ!?スマ!?ハヅキをあんまり虐めないでください!!後が面倒なんスよ!?」
だが二人は何もなかったかのように、既に日常へと戻っている。
それが信じられないアッシュは、とにかく誤解を解こうとハヅキの部屋へ向かおうとした。
が、ユーリがすかさず口を挟む。
「止めておけ。今行っても入れてはくれないだろう」
「ソウソウ。大体ユーリも言ったケドさー、ぼくらにハロウィンをしようなんて提案がイケナイんだヨ?ぼくら“妖怪”なんだし」
確かに。
アッシュは二人の意見に耳を下へ落とした。
確かにアッシュ含むハヅキ以外の三人は妖怪で。
確かにハロウィンでいう人間に紛れているから、お菓子で満足させて向こうの世界に帰そう、と、される存在だけれど。
そんなものは形式だけではないか?
現に今の世界で自分達は人間に受け入れられているのだから。
大体そんなことを言うのなら去年だって……。
そこまで考えてアッシュはハッと、ある事実に気付いた。
「ユーリ、スマ……やってくれたっスね?」