カアッと一気に熱が顔に集まるのが分かった。
恥ずかしい。
理屈は分からないけれど、何故かすごく恥ずかしい。
思春期の初恋を知った少女でもあるまいし。


一歩、二歩と震える足で後退する。
が、直ぐに何かにぶつかった。


──壁はこんなに近かっただろうか?
確認するため後ろを振り向こうとした瞬間。
トンッと肩に“何か”が置かれた。
可笑しいくらい身体が震える。


ま・さ・か、


「いけませんな、こんな深夜に」


ザッと血の気が引いた。
考えるまでもない。
この、低く絡み付くような声は、


「溝の鏡に執着するとは。ふん、馬鹿馬鹿しい」


「ス、ネイプ教、授……」


鏡の中の優しい彼ではない。
何時もの、私をその長身で見下す陰険根暗な方の彼だ。


「事務員とはいえ、深夜に部屋を抜け出すとは嘆かわしい。それでホグワーツの職員のつもりか?それとも、」



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