不意に振られた質問に、葉月は驚いてスネイプを見上げた。


突然何を言い出すのか。
そう思ったが、歩調は変えてくれず、少々息を上げながらも脳みそをフル回転させた。
勿論、これ以上お小言を言われないために。


考えて、出た結果。


「あ、魔女狩り……」


中世ヨーロッパではかの有名なジャンヌ・ダルクを筆頭に魔女と見なされた女性や、関わりのある人々が火炙りにされた歴史がある。
黒猫は魔女のペットとしての印象が強く、黒猫がいる側には悪い魔女がいると思われていた。
だから、黒猫が目の前を横切ると、縁起が悪いのだ……多分。


そう、良く考えれば、葉月もスネイプも“魔法使い”なのだ。
しかもここはヨーロッパ。


葉月は自らの軽率な発言に恥ずかしくなり、謝罪しなければと声を出そうと思ったが、スネイプに先を越された。


「だが、猫を飼うのは悪くない」


「スネイプ教授は猫が好きなのですか?」


突然の発言に戸惑いを隠せず、馬鹿なことを聞く。
どちらかというとスネイプの方が猫に似ているのではないだろうかと、葉月が密かに思った事は秘密だ。



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