葉月は自身が異世界人であることを隠そうとしている。
相手が読心術が使えるなど知りもせずに。
だが、重要な部分は彼女が異世界人であるということではなく、彼女が何を望んでいるか、だ。
ダンブルドアからは葉月の望みは正に、愛という最も強い魔法だと見える。
だから。
望まずにはいられない。
愛を知りながら、見守ることを選択した男に。
向けられる強い想いが。
彼の未来を照らすことを。
望まずにはいられないのだ。
葉月が現れたことによって、予定されていたインクの歴史が。
白紙に戻る。
“葉月”という歴史の歪みが、また新たなる歴史を創りはじめたことを。
今はまだ彼女が知る由もない。White History(オリジナルを越えよう)