何て言えばいい?
世界の未来を知っているって?
違う世界から来ましたって?
貴方達はインクの世界の人だって?


彼なら、ダンブルドアならばトリップという異質な現象をきっと笑顔で受け止めてくれるに違いない。
知識の海に住む彼ならば。


けれど、葉月の望みはそれではないのだ。


──私の望みは。


葉月は今度こそ真っ直ぐにダンブルドアの瞳と合わせると、ゴクリと唾を飲み、震える口から言葉を紡いだ。


「私は──」















ダンブルドアが杖を一振りすると、先程葉月が使っていたティーカップが新しい物へと変わる。
ついで現れた猫は、客を失った椅子に登り、ニャーと可愛らしく一声あげると女性へと変化を遂げた。
緑色の山高帽に同色のローブを羽織る、魔女へと。


「彼女を此処から出して良いのですか?」


紅茶に口も付けず切り出された本題。
「そうじゃな」と前置きをするとダンブルドアが紅茶を口に含んだ。
入れてから時間が経った紅茶は冷めていて生温い。


その時間さえもったいないと言いたげに、マクゴナガルは眉間に皺を寄せる。
彼女はダンブルドアの考えに上手く納得出来ないでいた。



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