──隊長が?まさか陛下じゃないよな?


急にざわつく周りに耳を傾ける。


今日有利がお忍びでパーティーに参加するなど、ヨザックは聞いていない。
来たところで彼は困りなどしないが。
寧ろ、グウェンダルやギュンターの方が絶叫しそうである。


しかし、コンラートが参加した理由に検討が付かない。
ヨザックは“もしも有利が参加していたら”という可能性に賭けて、会場内、あからさまに出来ている人の輪に向かって歩いて行った。


丁度その時。
会場内が少し暗転し、オーケストラが演奏をし始めた。


本格的にダンスタイムが始まる。
皆、礼儀のためか、一様にホールに向かう。
パートナーと共に。


この時間を利用しない手はない。
ヨザックはコンラートを見逃さないように、足早に彼がいるであろう場所に急ぐ。


「失礼、お嬢さん。一曲いかがかな?」


が、しかし、グッとヨザックの手を取る者がいた。
そこにいたのは全く知りもしない、随分ガタイの良い男。
ヨザックもガタイが良い方だが、相手は彼より幾分も歳を取り、ナイスミドルと言っても過言ではない色気を持っていた。



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