「ねぇ、ヨザック?私、貴方を少しは信用していたのだけれど」
そう葉月が言えば、今度は大人チームが総立ちだ。
「グリエ!とっとと謝れ!!」
「そうです!女性を、ましてやハヅキ様を裏切るなど、失礼にもほどがありますよ!!」
顔面蒼白。
グウェンダルとギュンターは今にも倒れるのではないかというほど、恐怖に震える。
「姫さん、ちょっと状況が読めないんですが」
「会議中に失礼にも入室した女が、貴方の胸倉を掴んでいる所よ」
──それは分かるだろ!
勿論、誰も突っ込まない。
「エーファは可愛かった?」
「は?」
葉月が極上の笑顔でそう言うと。
その場の全員の口があんぐりと開いた。
ただし、約一名。
コンラートだけは「そういう事か」と笑ったが。
「アマーリエは?ティアナは?リーザはどう?」
そこまで来れば、ヨザックも何となく言いたい事を理解したらしい。
困ったような、だが少し嬉しそうな、何ともだらし無い顔をした。
名前の女性は血盟城の侍女達である。
それもわりとヨザックと仲の良い。
よくお喋りをしたり、グリ江ちゃんとして仕事をしたりする仕事仲間でもあって。