だが有利は、盛大に息をはくとヨザックであることをもう一度確認して、村田へしたものと同じ質問をした。
「コンラッド見なかった?」
「隊長?姫さんの方が詳しくないですかね」
ヨザックの解答にこれまた肩を落とす。
「それがそうもいかなくて……」
苦笑する有利は、またヨザックに説明をして、目を瞑ってもらい、コンラート探しの続きに急いだ。
こんな日に限って不運は続く。
ギュンターやグウェンダルにまで遭遇するも、意見は皆同じ。
手掛かりらしい手掛かりも見付からず、ついには葉月が先に折れた。
「ゆーちゃん、ごめんね。私が馬鹿なお願いしたから。もう十分だよ」
今日まだ有利でさえ一目も全身を見ていない葉月。
有利は顔を見なくても、きっと今にも泣き出しそうなのであろう姉の顔が想像出来た。
「だけどさ」
悔しいのは有利も同じ。
こんな日に限って、どうしてコンラートは見付からないのだろう。
いつもは恋人である葉月と常に共にいるのに。
お互いに諦めかけたその時だった。
「陛下、こんな所にいたんですか」
「コンラッド!?」