「名無し、しっかりなさい!」
私は聞き覚えのある声によって、目覚めた。体に鈍い痛みを感じながら
『う・・・師範代?』
「よかった。気がついたね」
『あれ、私さっきまで試合を・・』
だんだん思い出してきた。
そうか、私負けたんだ。顎が異様に痛む。きっとここに鋭いアッパーでもくらったのだろう。
「はい。名無し、よく頑張りました。対戦相手は貴方よりも格段でしたが、それにもめげずに闘ったあなたは本当に素晴らしかった。」
ウイングが名無しの手を握る。
『あ・・ありがとうございます。」
それに応える様に、名無しも握り返した。
名無しは、試合には負けたが師範代に褒められた事が嬉しかった。今までの努力が認められてるようで。
『師範代』
「どうしました?」
『次は、勝ちます。』
「はい。頑張りましょう」