私には困った問題を抱えている。
その原因は彼だ。

彼の家はお金持ちなのか、よく私に高価なプレゼントをくれる。
けど庶民の感覚をもつ私にとって貰いっぱなしは気がひける。かといって、私がプレゼントするとしても、彼の様にお金持ちじゃあないので高価な物は買えない。


『和也はさ、なんか欲しい物ある?』

名無しの家でご飯を食べ終わった二人は、リビングでくつろいでいた。そんな中、名無しは聞いてみた。

「なんだよいきなり」

『私はさ、いつも和也から貰ってばっかりで困ってるの!自分からアンタに一つもプレゼントあげた事ないし・・・』

「ん〜じゃあさ、コーヒーちょうだい」

『もうっ!こっちは真剣だってば!』

そう言った名無しは、コーヒーを入れに行く為リビングに向かった。


リビングに向かった名無しは、お湯を沸かしコーヒーカップにインスタントの素を入れる。
その時に背後に気配を感じる。
名無しは直ぐに和也だと理解した。


『もう少しで、お湯が沸くから待ってて』

「ああ。」

和也は頷き、名無しのそばに寄って肩に手を回した。


『どうしたの?』


「名無し、お前さっき俺に欲しい物を聞いたよな?」


『うん。』


「頼んでいいか?」


和也は回した手を強める。


『いいけど。あんまりにも高価な物は買えないよ?』


「わかってるよ。お前にしか出来ないし」


和也は名無しを覗き込み、唇にキスをした。名無しは驚いて目を見開いたが、目を閉じ、されるがままになる。


長い沈黙が続き、二人の息遣いだけが聞こえる。


『か、和也?その・・・』


「なんだよ」


『もしかして、私とするの?』


潤った瞳で和也を見つめる名無し。


「嫌?」


『嫌じゃないけど、私、まだこういった経験なくて・・』


「別にいーよ。俺がリードするし」

和也は、名無しを抱き寄せもう一度唇を重ねる。

『へっ?ちょっ、かず』

「なんだよ?」

『よ、よろしくお願いいたします。』


「なんだよ、ソレ」


『一応、挨拶しとこうと思って・・・』

「カカカッ!じゃあ、こちらこそよろしくな」










   




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