*超中途半端。続くかわからない








夜更かしをした名無しは、授業中にもかわらず大きな欠伸をする。
それを見ていた教師に睨まれるが、名無しは気にせず涼しい顔をしていた。

教師の癖に何もできないならやめればいいのに
彼女は心の中で教師に毒づいた。

以前、このクラスにはイジメが存在しており、ターゲットにされた生徒は陰湿なイタズラをされて登校拒否まで追い詰められていた。
知っていたはずの教師も、立場の保身のためか見てみぬふり。


名無しはちらっと斜め右をみる。
彼の名前は宇海零。成績優秀でおまけに綺麗な顔立ちをしており、女子からも男子からも絶大な人気を誇る。
そんな彼がこのクラスのイジメをとめた。

どうやってやめさせたかわからないが、彼が虐めを無くしたのは間違いと彼女は確信していた。
なぜなら、いつもクラスの中心には彼がいる。


私は虐めがなくなった事に、良い気がしていない。それは私が虐めの黒幕だからだ。


自分は裏から、同級生がいじめられるように仕組んでいた。加害者からも被害者からも傍観者にもバレないように
最初は上手く行き、ターゲットを登校拒否までに追い詰めた。

問題はそこから始まる。
今まで虐めに関与していた加害者もターゲットと同じく登校拒否になった。
それから幾つか経つと、加害者とターゲットが一緒に登校していたのだ。

話から聞くと、加害者が被害者宅まで行き謝罪をしたらしい。
それからこのクラスはまとまり、この前なんか運動会で優勝したのだ。

皆陽気に笑っていて楽しそうだったが内心腸が煮えくり返って、気が気じゃなかった。
自分の計画した学級崩壊シナリオをめちゃくちゃにされたなんて面白くない
私は、宇海零に近づく事を決めた。


放課後が彼に近づくチャンスだと思い、私は行動した。


『宇海くんっ!』


猫なで声で宇海零を呼ぶと、彼は驚いた様子で何回か瞬きした。
私は宇海の反応に別に戸惑いはなかった
そりゃそうだろう、今まで宇海とは話した事もないから。

「どうしたの?名字さん」


いつもの明るい笑顔を私にする宇海。
顔立ちも整っており、割と好みだが彼の顔を拝む為に呼んだ訳じゃない。


『宇海くんに頼みたい事があるの』


「どうしたの?」


『いっ、一緒に帰れないかな?』


私は台本通りに演じた。
体をもじもじさせたり、髪をいじったりする事で、相手に気のあるアピールをする為らしい。
男好きの友人が言っていた事が今になって役に立つとは思わなかった。


「いいよ。何か相談事?」


『…まぁね』




なんとか宇海との接触に成功した。
これからは、どのシナリオでいこうか私は考えながら彼と学校から出た。








続く?


   




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