※男性主です。
幼馴染の和也は大金持ちで、よく貧乏な家庭の俺にご飯やお菓子を奢ってくれた。時にはパーティーなんかして一晩中遊んだりして楽しかった。
だけど本当はそんな和也を心配していた。このままじゃあ、本当の友達ができない、和也の取り巻きはお前の事を財布にしか思ってないぞって。
「名無し!今日、キャバクラ行くんだけど一緒に来いよ」
俺も和也もまだ中学生だけど、こいつはよく親からのお小遣いでキャバクラやクラブにで入りしている。それでたまに俺たちを誘ったりしてるわけだ。
『なあ、和也。話しがあるんだけど・・・』
「あ〜、なんだよ?早くしろよ」
和也は大きく欠伸をあげる。
俺は、よしっ!いつも思ってた事を言うぞと意気込んで話そうとした。
『か、和也。お前さあ』
「和也さん、行きましょうよ!もう待ちくたびれちゃいましたよ」
「まてよ。今、名無しと話してるンだわ」
「名無し、なんだよ!早くしろよな、和也さんも困ってるし」
「別に困ってねーけど」
「そうですか!すみません、アハハハッ!」
タイミング悪く、和也の取り巻き1が登場してきた。名前は・・・覚える価値もない。こいつ等はいつもヘラヘラして、和也がいないと威張れない野郎。
『和也、今度でいいや!俺、今日用事あるしさ、楽しんでこいよ』
「そうか、じゃあな」
和也は俺に手を振り、階段を降りて行く。取り巻き1は、俺に一睨みし和也について行った。
俺は窓の外をみて小さく溜息をはいた。まあ、今日言わなくてもいいか。
そう思い、俺は靴箱に向かう。
靴に履き替えている時に、運悪く靴紐が切れてしまった。
『うっわあ、最悪。なんかの悪い予感?』
靴紐代を母ちゃんからせびろうなんて呑気に考えてた俺は、和也が事件に巻き込まれたなんて知らなかった。