完璧主義のバーボン



「だから!一回でいいからアンタのブツを貸してくれって言ってるんですよ!!」
「絶対嫌だ。」
 
 なんでだよ!とムキーッと怒るバーボンを前に、なんで了承されると思ったのか心底不思議だった。横にいるスコッチも何とも言えない苦い顔をしている。おい、バーボンはお前の担当だろうなんとかしろ。
 
「アンタの凶悪なチンコをしゃぶれたら、もう後は何が来ても大丈夫だと思うんですよ。だから貸してください。」
「なんでわざわざハニトラなんて面倒なことするんだ。脅して痛め付けて吐かせたらいいじゃねえか。」
「なんか偉いさんの息子らしくて、ジンから穏便に済ませろっていう命令なんです。僕だって嫌ですよ。」
「お得意の手八丁口八丁で掠め取ってこいよ。」
「僕だってやりたくないですよ!!!」
 
 なにが悲しくて男にハニトラなんてしなくちゃいけないんですか!可愛い女の子ならまだしも!この提案は妥協案なんですよ。俺だって男の汚ぇケツの穴になんか入れたくもないし入れられたくもない!でも俺のこの顔からしてそういうことになったら絶対に掘られる。間違いなく掘られる。それだけは絶対に避けたい。そこで、しゃぶるだけで終わらせれば俺の貞操も守られるし、おそらく萎えきってるであろう俺のチンコも見られず万々歳!でも、口であろうといきなり突っ込まれて間違っても吐くなんて無様なマネはできないので、アンタの無駄に立派なそれで練習させろって言ってるんですよ。
 という、見事に俺の意見を無視した自分勝手な理論を自慢気に並び立てたバーボンに青筋が浮かぶ。俺のチンコだって口であろうとどこであろうとお前の中には入りたくないのだ。
 
「ま、まあまあバーボン。ライもこう言ってるし、もっといい方法を考えよう。」
「いい方法!?ライが俺にそれを差し出せば済む話でしょう!」 
「絶対に嫌だ。」
「な、ほらバーボン落ち着いて。お前今混乱してるんだよ。」
「ウブなふりして教えてください〜とでも言って近付けばいいじゃねえか。そういうの好きな奴もいるだろうよ。」
「は!なんでこの僕がそんな下手に出ていかなきゃなんないんですか!」
「そうだな、バーボン変に完璧主義なところあるもんな。それがアダになっちゃうのかな。」
「そんなにしゃぶりたいなら、お前の大好きなスコッチの借りればいいじゃねえか。」
「はぁ!?アンタもスコッチのくらい見たことあるでしょう!?あんなものしゃぶれたくらいじゃ何の耐性もつきませんよ!」
「…」
「ねえ、凄い流れ弾がきたんだけど、2人ともスコッチお兄さん傷つけて楽しい?」
「わかりましたよ。僕にしゃぶられて感じちゃうのが怖いんですか?大丈夫ですよ、口は固い方です。アンタがどれだけ無様に喘ごうと秘密にしておきますよ。」
「そんなガキみたいな挑発に乗るわけがないだろう。」
「バーボン、ホントに一回落ち着こう、な?」
「ハッ!分かりましたよ!早漏、早漏なのも秘密にしてあげますから!」
「バーボン!」
「誰が早漏だって…?」
「ライ、悪い。バーボンだって今普通じゃないんだよ許してやって…ってオイ!お前なにを」
「なんですか、やっとやる気に…えっ!?ちょっと何ですか!やめ、やめてくだ…」
「暴れるな脱がせられないだろう。」
「ホントにやめっ…あっ、あ」
「…ら、らい…」
「やだ、ほんとにやめっ…あっ!」
「…」
「…で、誰が早漏だって?大丈夫だ、俺もスコッチも口は固い方だからお前が早漏だってことは秘密にしといてやるよ。な。」
「あ、ああ…」
 
「俺のチンコがライに犯されたー!!」
 
 半泣きで走り去るバーボンを見送って、口をすすぎに行く。隣でスコッチが固まっているが、お前のバーボンが起こした問題だ。監督不行き届きだ。

「ら、ライ…」
「なんだ。」
「お前…こんなことしちまったら、次からハニトラの任務回ってくるんじゃね?」
「……しまった。」
 
 その後、ハニトラが回ってくることはなかったが、プライドをズッタズタに傷つけられたバーボンは、どこで習得したのかは分からないがハニトラの鬼と言われるまでに成長し男も女も落としまくるようになった。そして、「あの時の雪辱を」とライが寝ているときやシャワーを浴びているとき、トイレにまで入り込んできて隙あらばチンコを狙うようになった。

2017-12-08
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -