花宮真
善し悪し決めましょう

※何年後かの未来設定




『お前は天国を信じるか?』

あぁ、以前、私にそんな質問をしてきたのは誰だったかしら
私はその答えになんと答えたんだっけ




「ねぇ、花宮って天国を信じる?」

「はぁ?お前、何言ってんだ?遂に脳みそでも腐ったか?」

「失礼ね。ふと、思っただけよ」

全く、人を馬鹿にするような態度しかとれないのかしら、こいつは。まだ、私のことを訝しげな目でみてるし、

「…俺は信じねぇな」

「あ、やっぱり?」

「やっぱりとは何だ…」

「特に意味は無いわ」

「てめぇ…」

だって、花宮って無神論者っぽいしね、科学的に証明出来ないこととか興味なさそうだし…信じないわよね。むしろ信じてたら驚きだわ。
まぁ、こんなこと花宮に言ったら絶対にキレられるから言わないけど、

「じゃあ、そう言うてめぇこそどうなんだよ」

「私?」

暫く不満気な顔でこっちを睨みつけていた花宮が急に私に話しかけて来た。
私、私は…そうね…

「…わからない、かしら」

「あぁ?何だよそれ、言うにことかいてそれかよ」

あっ、また不満気な顔してる。変わらないなぁ…そういうとこ、高校の頃から

「だって、わからないじゃない。天国があるか、ないか、なんて。実際のところ、私には推し量ることの出来ない世界だわ」

「別にあるかないかの話をしてる訳じゃないだろ。信じるか信じないかなんだからよ」

「それもそうね」

「てめぇ…自分から聞いておいて、さっきからそれはねぇだろ…」

「ごめんって」

あんたも大概だと思うと言う言葉は胸の奥にしまっておくことにしよう。あまり、怒らせたくはないからね。

「まぁ、あったとしても花宮はきっと天国には行けないわね。絶対に地獄いきよ」

「そりゃあ、そうだろうな。俺も結構なことをしてきたしな」

「今だってしてるじゃない」

「うるせぇ。お前に言われなくても分かってるよ」

素直なんだか素直じゃないんだかよくわからないわねぇ〜
性根がひねまがっているのは確かだけど
ふと、視線を感じて顔をあげると花宮の目とあった
なに?いったい

「……なによ、人の顔をまじまじとみて」

「…お前は天国にいけるだろうな…」

「え…?」

私が天国に…?
そうかしら…?そんなに簡単にいけるものなのかしら天国って…。
花宮は私が善良な人間だと思っているらしいけど、実際はそんなことない。私だって、人を憎んで嫌がらせしたり、陰口言ったりしたことはあるわ。もし、天国が善良な人間しかいけないのだとしたら、私もきっと地獄いきだわ。

「……私も多分、地獄いきよ…」

「あ?なんでだよ」

「だって、私は花宮が思っているほどおキレイな人間じゃないもの」

だから、地獄いきね
世の中そんなに簡単なものじゃないと思うし

「まぁ、天国にいけたら、地獄いき確定の花宮君に蜘蛛の糸を垂らすくらいはしてあげてもいいわよ〜」

「覚えてろよ、てめぇ」


死んだあとに罪を償わなくちゃいけないなら、今から善いことしとくのもいいかもね
天邪鬼の花宮のためにも
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