葉山小太郎
ごまんとあるその中から
まだ暑さの残る9月の頭。空が高いのにまったく秋らしさを感じない。
放課後になりそれぞれが部活動に励む時間帯になる。ダルい体を起こし、部活に向かう。行かないと殺される。誰って、厨二…いやなんでもない。あいつ本当に年下なのか…先輩をもっと敬うべきだ。
もんもんと1人そんな事を考えながら、生徒達の間をすり抜けながら階段をとぼとぼ降りていたら元気のいい声とともにあるやつが突進してきた。人混みでよく見つけられるな…。
「名前ーーー!!」
『ぐえっ、』
支えきれなくて、倒れ込む。毎回思うがいきなりはやめてほしい。踊場じゃなかったら転がり落ちて死んじゃう。てか、他の生徒達沢山居るのに女子とは思えない声が出た。もうやだ。
「名前!部活行こーよ!」
『小太郎、重い!上に乗るな!』
「えー」
『えー、じゃない!』
「あ、パンツ見えt『うわああああああああああ』いいじゃん!減るもんじゃないし!」
あれ、小太郎こんな子だったけ。まさかあの赤頭に…。うわあああ洛山高校男子バスケットボール部がダメな部になってしまう!歴史ある素晴らしい部活動なのに!てか、スカート捲れてたのかよ…もうお嫁に行けない。
『とりあえず、退こうか。部活行けない』
「えー、どうしよーかなー」
『何が!?』
「じゃあ、名前!ちゅーしてよ」
『はい?』
「ちゅーしてくれたら部活行かせてあげる」
ぐっ、と腕を床に押さえつけられる。ビクともしない…さすがバスケ部。顔を近付けてきて、はやくと急かされる。人前でとかどんな羞恥プレイだ。でも早く行かないと殺される…。
意を決して、小太郎のそれに自分のそれを重ね、直ぐに離せば「えー、」と不満げに声を上げる。抜け出そうと身を捩ろうとすると後頭部をがっちりと押さえられ、噛みつくようなキスをされる。ズルい。
「ごちそうさま、」
『…ばーか』
「名前、好き!」
ごまんとあるその中から
(君を見つけ出した。)
参加させていただきました。
葉山先輩、書いていて楽しかったです!
葉山先輩大好きだあああああ!
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