息ができない

バギーが好き。
バギーは可愛い。
バギーは素っ気ない。
でもバギーはちゃんとおれを見てる。

そんなバギーが大好きで。こんな嫉妬渦巻くこの心中は到底見せられない。

「どうかしたのか?」

我に帰ると心配してバギーがおれの顔を覗きこんでいた。大丈夫と言いながら、長い髪に指をからませる。

「ならいいけどよ。」

背中に回される手は暖かく、喉元に込み上げる熱い何かがおれを圧迫する。苦しい。

「…考え込むんじゃねえぞ。」

かけられた言葉の意味を飲み込む前に、そっと口を塞がれる。バギーの長い下まつ毛が太陽の光を浴びて輝いて、思わず眼を細めた。なかなか口内に踏み込まないバギーの頭を強く引き寄せ、乱暴に押し入る。自然と眼を伏せるバギーを薄目がちに見ると、また深く舌を差しこんだ。




キスを重ねる度に、よぎる感覚。いっそこのままバギーに溺れて死ねたら。バギーに溶けて、繋がって。この感情がバギーの奥に留まり続けて欲しいと、切に願う。


苦しいのは離さないキスのせいか。
それともこの胸の想いか。




title:joy




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