5月6日

約1週間程手紙のやり取りを重ね、気付いた事は
手紙は1日に1通しかやりとりできない。
また、重虎さんは数日前から風邪をひいて都で養生中なのだそう。

東京を都だなんて、おかしな言い方をする事に少し笑った。けれど、それ以前にこの毎日同じ場所に置かれている手紙は誰がどうやって持ってこられているんだろう。
ここは東京からは随分と離れている。
どちらかと言えば、京都のほうの都の方が近いくらいだ。

次から次へと疑問は浮かぶのに、どうしてかそれを聞いてはいけない気がする。
それに、今のこの不思議な関係を楽しんでいる自分が居て、その謎に触れることでこの夢のような現状が消えてなくなってしまいそうな気さえする。
今を楽しみたい。だからこそ私は不思議は不思議のままで置いておくことを選んだ。

そして、重虎という人物は、過去に確かに存在したらしい。
もし、私の調べが正解だったとして
竹中半兵衛、彼の初名だという。
歴史が好きな人や、彼のファンだという人達なら、その名前を知っていてもおかしくはない。
侍女という言葉が手紙に出てくるあたりも、それなりの身分の人なのだろう。明らかに時代がおかしい言葉だけれど…
ありえない。とは思いながらも、この人は随分と古い時代を生きる人なのではないか。そんな考えが浮かび出していた。
そして、それは強ち間違いではないような気さえしている。
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