さすがはサボりの代名詞、蔵当番。
始める前からわかってはいたものの、そこいらに埃が積もり蜘蛛の巣が張り巡らされている。
少しずつ掃除していくのが最善なのだろうとは思いながらも
一度火が点いたやる気を消すわけにもいかず
一階から二階まで大方の掃除を済ませてしまった。
達成感と疲労感を感じながら、長持に腰掛け外を見やると太陽が傾きもう辺りを赤く染め始めている。

「もう夕方になってたんだ…あれ、何かある」

蔵に入って最初に窓を開けた時には何もなかったはずの窓枠に何か紙が置かれていることに気づいた。

「何? 手紙、かな…」


宛名などはなくて、送り主の名前もない。
いやいや、こんなに目立つところに置かれていたならいくら私でも気づくはず。
訝しみながら手紙に手を伸ばす。
まっさらな紙は、よく時代物のテレビで見るような長細く、上下を折り曲げただけの簡素な折り方が成されていた。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -