たからもの | ナノ


「名前ーー、起きなさい!!」


『ん…』



いつものようにお母さんの声が響く


「名前!!」

『…』



まだ眠い…
昨日遅くまで起きてたからかな…







タ…タタタ…

ガチャ




お母さん?



『部屋まで来なくて…も…っ!!』

「おはよう名前」

『そ…











そ…














総司!!!!』


部屋に来たのはお母さんじゃなくて幼馴染みの総司だった




『なんで…?』


最悪だ


起きたばっかりで髪もぐちゃぐちゃだし、着替えてもいない…




そんな姿、総司に見られたくなかったのに…




「なんでって、名前が早く来ないから迎えに来たんだよVv」

『…ごめん…でも』


「でも?」












『早く出てって!!』


「っ!!」


『あ…』

「…ごめんね。
じゃあ外で待ってるから」


『…』











――――――――――


本日二度目

最悪…



何やってるんだろ…私





好きな人に見られたくないところ見られて慌ててたからって…

あんな言い方




『はぁ…』


とりあえず私は着替えて総司のところへ向かった










――――――――――

―――――――


「…」

『…』


気まずい…


一応今朝のことは謝ったのだがまだ気まずい




『あの…総司』

「何?」

『今朝はごめんね。
酷い事言って…』

「それ、さっきも聞いたよ」


『う…うん…ごめん』

「なんで謝るのさ」

『ごめん…』

「ほらまた…」














「ねぇ名前」

『何?』


総司から話しかけてくれた!!



「もうさ…」

『うん?』

「迎えに行くのやめるよ」

『え…』



総司の口から出た言葉はとても悲しいものだった



『なんで…?』

「…」

『私が今日、酷いこと言ったから?』

「…」

『…私のこと、嫌になったから?』











「名前は、好きな人いるんでしょ?」

『!!』

「やっぱり…。
だから、僕が部屋に入った時、あんなふうに言ったんでしょ。好きな男以外の男を部屋にあげたくなかったから」



『違う…』

「幸せにね」

『違う!!』

「!!」



私は必死に総司を引き止めた




『私は…総司が…総司が好きだから…恥ずかしくてあんなふうに言っちゃったの///』

「え…」



『///』


「名前」

『?』

「もう一回言って」

『…///やだ!!』

「お願い!言ってくれたら僕も好きって言うからVv」


『…嫌いの反対///』


「…」


『好き…///』

「クスッ…ありがとう。僕も好きだよ」










嫌いの反対の意味
最初から素直に好きって言えばいいのに





*END
千打企画 レイナ様

お題:魔女のおはなし
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