ねぇ知ってる? ある廊下で走ってて好きな人とぶつかるとその恋が実るって噂 信じるか信じないかはあなた次第 あなたは信じる?――――――― 「名前おはよう!!」 『おはよう!!』 「ねぇ聞いた?」 『ん?』 「原田先輩と春宮先輩があの廊下でぶつかって次の日付き合うことになったんだって!!」 『えっ!?ホント!!』 「ホント、ホント!! あの2人、お似合いだよね〜」 あの廊下の噂…本当なのかな… 私も…沖田先輩と… 『ねぇ由依』 「ん?」 『あの廊下ってさ、両想いの2人がぶつからないとダメなの?片想いの場合は駄目?』 「う〜ん…どうだろ? でも両想いじゃなきゃだめなら噂にはならないと思うよ。だって両想いならくっついて当然でしょ?」 『そっか…』 私はこの瞬間、これからあの廊下を通るときは走ってみようと決意した 数日後―――― ドンッΣ 『わっ!!』 「っと…」 誰かにぶつかってしまった 『あの、ごめんなさい』 「いいよ…。 僕からぶつかりに行ったんだし…」 『え? ……っ!!沖田先輩っ!!///』 目の前に立っていたのは沖田先輩 私の…好きな人 「はじめまして、名前ちゃん」 『えっ!?どうして私の名前…』 「そりゃあ好きな子の名前は知っておきたいでしょ?」 『はい…って…えぇ!?』 いいいいい今…好きって… 「そんなに驚くこと?」 クスクスと笑う沖田先輩 『驚きますよ!!』 「…そっか。 僕さ…焦ってたんだよ」 『え?』 突然真剣な表情になって沖田先輩は言葉を続けた 「この廊下の噂は本当らしくてね…。この廊下でぶつかった2人は必ず恋におちるんだって。片想いでも両想いでも…。 やっかいなことにお互いに違う人が好きだったとしてもこの廊下でぶつかれば恋におちてしまう…」 『えっ!?』 そんなの初耳だ もし好きでもない人とぶつかってたら… 「もし名前ちゃんが僕以外の男とぶつかっちゃったらって思うと怖くてね。思いきって僕からぶつかってみることにしたんだ」 『…』 「君がもし僕以外の男(ヒト)に想いを寄せているなら迷惑な話だろうけど僕は君を僕以外の誰かに取られるなんて堪えられないんだ…。 …この廊下にいるとどんどん欲が出てくる…」 沖田先輩… 『そんなこと…ないですよ』 「え?」 『迷惑だなんて思いませんよ。だって私は沖田先輩が好きだから…///』 「!! ホントに?」 『こんな時に嘘なんてつきませんよ』 「…ありがとう」 そう言うと沖田先輩は私を抱き締めた 「大好きだよ」 『私も大好きです/// 沖田先輩といると…どんどん欲が出てきます…』 「今、何考えてる?」 『…もっと…ギュって…してもらいたい///』 「いいよ」 ギュッ 『///』 幸せな時 どんどん欲が出てくる あなたと結ばれたなら 次は… “欲”走る廊下 みんながよく走る廊下は“欲”が走る廊下 *END 一万打企画 レイナ様 から お題使用:雲の空耳と独り言+α |