■ワンダーランド・ホスピタル
▽操さんと渚紗と夜宵
 
紳士でイケメン、患者にも優しいリア充。

「絵に描いたような完璧男だな操さん」
「完璧すぎて憎たらしいね」
「病院の二代目院長らしいぜ」
「お金がっぽりだね少し俺たちにわ」
「お前ら院長室入っていきなり何言ってんだ何しに来た!!!!!!」

バン、と机を叩いて操さんが俺らを睨む。

「きゃーこわい」
「紳士じゃねえじゃん」
「それは女性限定だ野郎共」

野郎共と纏められた俺と渚紗はひどーとブーイングをする。
オルディさんも言ってたけど、この扱いの差は差別だと思うんだよね。きっと恋人の前ならブーイングしても突然入ってきて何か言っても対応は紳士なんだろうね。
まあ別にいいけど。俺には愛しの兄弟がいれば。

「ふふふ…」
「どうした夜宵突然笑いだして」
「何でもないよー…ふふふ」

兄弟との愛を実感してただけだよ。
渚紗が一歩後退りしたのがわかった。酷いなあ、俺はこんなに想ってるのに。まだまだ愛が足りないんだね。

「…なんかお前ロギアスに似てるな」

操さんが顔をしかめていった。その顔もイケメンですねうちの兄弟には負けますが。
……ちなみにうちの兄弟の魅力を語るには12日くらいかかるよ。聞きたい?聞かない?あっそう。

「いや俺の愛は兄弟限定なので」
「ベクトルが兄弟か患者かの違いだけじゃねえか」
「俺はキャラを崩さないし素がこれなので」
「そうなのか渚紗」

話が渚紗にふられた。渚紗は勝手に操さんのお菓子を食べていた。盛大に殴られる。
……あとでうちの兄弟を殴ったノートに書いておこう。

「そーっすよ。これが素だから逆に怖い」
「なにそれ俺はみんなを愛してるだけなのに」
「こっわお前こっわ!!!!!!お兄ちゃんないちゃう!!!!!!!!」
「ヤンデレって皆こうなのか…」
「ヤンデレじゃないですよみんなを愛してるだけですよ」

にっこり笑って言う。引かれた。ひどい。本当のことをいっただけなのに。

「でもまあ、ロギアスさんと違って怒らないし」

優しいからね、俺。

「…んで、お前ら結局なんの用があって院長室に来たんだよ」
「えっなに今さらそれを!」
「今更感満載ですねぷふー」
「いや驚くとこじゃねえよ普通院長室は立ち入り禁止だ阿呆」

操さんが持ってたペンを俺に投げてくる。間一髪でかわした。危ない危ない。

「そんなん決まってるじゃないですか」
「ただの暇潰し!!!!!」

イェーイ。ハイタッチする。と刺さる殺意。誰から発されてるのかは大体わかる。馬鹿じゃないしね。
すぅ、と息を吸う音。あーあ。やっちゃった?

「お前ら出ていけーーーーー!!!!!!」
操さんの雷がドカン。渚紗の頭にたまたま落ちてきた本がドカン。…あの本あとで燃やす。
すみませんでしたーと棒読みで謝罪して俺らは外に出る。早く行け!と声がする。
迷惑かけてすみません。でも楽しかったですよ話してて。
院長室を出ると外に綺麗な女の人がいて、「なにか院長室であったんですか?」と聞いてきた。

「何でもないですよ、」

そう言って笑っておいた。女の人はそうですか。と安堵の表情を浮かべてどこかに行ってしまった。

「綺麗な人だな〜」
「たぶんあの人院長の恋人でしょ」

えっ。と渚紗が驚く。不確かだけどね〜と俺は付け足す。
また暇になってしまった。うろうろしてからまた院長室に行くか。
紳士と馬鹿とヤンデレと、
(そして二度目の雷がおちる)

*****
操さんと渚紗夜宵のお話でした!!
操さんの紳士さが出せなかった…クソゥ
個人的にクレアさんがかなり好きというかタイプ??なので少しでも出せて嬉しかったです…!

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