■ワンダーランド・ホスピタル
▽ロギアスさんと呉奈と衣純
 
私はピンクが嫌いじゃない。寧ろ好きだ。でもこんなにピンクだらけは流石に殺意が湧く。

「どんだけ部屋乙女やねん」

海咲が冷静に関西弁でつっこむ。なんで関西弁やねん。あっしまった私も関西弁になってしもうた。

「ふふふ、素敵な部屋でしょう」
「ごめん無理」
「呉奈さんにはまだ早すぎますか」
「いや生理的に無理です」
「というかあんたのセンスを疑うよ」

海咲ナイス。確かにこれはセンスを疑うわ。
まだ女の子がこの部屋だったら私は嫌いだけど世間的には許されるでしょうね。でも成人男性がこの部屋だったらたぶん世界の過半数の人がドン引き。下手したら通報でしょ。変質者です!!って。

「いや素敵な部屋じゃないですか。誰もが憧れる素敵な部屋…!」
「ピンクピンクで乙女乙女な部屋のどこが憧れるんだよ」

女の私でも無理だわ。

「そう言えばお二人はお茶を飲まないんです?」

そう言ってピンク色の机に置いてあったピンク色のお茶をロギアスさんは飲んだ。
そう言えばなんかお菓子とお茶出されてたなあ。お菓子もお茶もピンクピンクで引いたけどお菓子は美味しそうだったから食べてお茶は無視してたんだったそうだった。
だって着色料やばいじゃん。なんか浮遊してんじゃん。海咲飲めよ。えっ、やだ?私飲め?ふざけんな飲めねーよ。

「普通のアップルティーですよ」
「色からして普通じゃないから」
「着色料を使っただけで普通ですよ、ふふふ」
「着色料使ってんじゃん体に悪いだろ」
「しかも何か浮いてんじゃん。私むり」

そうですか。残念そうな顔してロギアスさんは私と海咲のピンクお茶を飲んだ。よく飲めるね、尊敬するわ見習いたくない。
ちーん、と時計が鳴る音。まっピンクの時計が鳴ったらしい。午後3時。

「おや、問診の時間ですね」
「…そっかロギアスさん医者だったね忘れてた」
「海咲くん酷いですね」
「こんなまっピンクで乙女な部屋にいる奴が医者とか信じたくないでーす」
「そんな酷いこといえ子は入院させちゃ」
「すみませんロギアスさんは世界一の医者です」

海咲が棒読みで謝る。残念、ロギアスさんは言う。

「患者になってくれたらいっぱい可愛がってあげるのに。海咲くんも呉奈ちゃんも」
「わーい呉奈ちゃん嬉しくなーい」

あんた愛する患者に退院して欲しくないからっていろいろ小細工してんでしょ呉奈ちゃん知ってるんだよ。えへ。

「つか問診じゃないの。ここで駄弁ってたら操さんに怒られるよ」
「それもそうですね、ローリーにも会いたいし…じゃあ僕は行くとしますか」

そう行って彼は立った。

「2人ともゆっくりしていってくださいね。また後で一緒にお茶しましょう」

そう言ってロギアスさんは出ていった。私と海咲は見送ると速攻でこの部屋を出た。
乙女な部屋でお茶会
(あの部屋はどうしてああなった)

*****
ロギアスさんとみさくれ話でした。
そのあと2人はロギアスさんに捕まってまたお茶会だといいなとか。


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