(※未来捏造)



ナイトレイブンカレッジの七つの寮には、それぞれに風変わりな、失礼、ユニークな生徒が集まります。
例えば、世界一の魔法士と呼ばれるマレウス・ドラコニアはディアソムニア出身です。傲慢なところもあるけれど、彼の王者の風格は揺るぎないものでした。
僕の大切な友人を輩出したのはスカラビア、彼は賢く、思慮深く、そして基本的には面倒見のいい男です。あの寮に彼が残したものもきっと多くあるでしょうね。
そしてもう一人、一年生からハーツラビュル寮長を努めた友人がいます。僕は在学中大変優秀な生徒でしたが、結局卒業まで自らを律することを怠らない彼から首席の座を奪うことはできませんでした。
ヴィル・シェーンハイトはポムフィオーレの寮長でした。彼は恐ろしい男ですよ……なんて改めて語るまでもなく、彼の美しさと恐ろしさはこの世界に不可欠ですよね。
それから、あなたがポスターを貼って崇拝しているレオナ・キングスカラー。よく知っている通り、彼はサバナクローの出身です。彼が見習うべき大人かどうかはさておいて、マジフト選手としては一流でしょう。
そしてあなたの父親、イデア・シュラウドはイグニハイドきっての優秀な寮長でした。外に出たがらないのはその時から変わりません、というかここ何年かで随分ましになったんですよ、あれでもね。彼は、えぇ、勤勉な精神で寮生たちに随分慕われていました。天才というのは、人を惹きつけてしまうものです。
そして僕、あなたのもう一人の父親は、オクタヴィネルの寮長でモストロ・ラウンジ一号店の支配人でした。もちろんそこに上り詰めるには準備良く手配しなければなりませんでした。いつだって僕は優秀な右腕と左腕を連れていましたが──ねぇ、VIPルームの椅子は随分座り心地がよいものでしたよ。
わかったでしょう、どの寮に入ってもそこには素晴らしい未来がある。僕たちの素晴らしいわがままベイビー、お前はお前の行くべき道を行きなさい。

さぁ、馬車が迎えに来ましたよ。








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