![]() かなわない恋をした 子供でもわかる。 遠い、距離。遠い、年の差。 メールも電話もあるから。 なんて言い訳私の心にはもう通用しない 会いたい。 ただ気持ちだけ先走る。 会いたい。 「オサムちゃん……」 会いたいよ… ケータイが光る着信音はオサムちゃんではない お気に入りの恋の歌が悲しい歌に聞こえた 今聞きたいのはあの、個人設定した切ないメロディ それでも出ない訳にはいかない。泣きそうな声を出さないように 深呼吸して携帯を見る 「公衆電話…?」 久しく見ていない通知に警戒する。 でも変わらず鳴り続けるケータイに恐る恐る出る 「も、もしもし……?」 「りん!やっと出た!俺や!!超イケメン教師オサムちゃん!!!!」 「え…?オサムちゃん!?」 「詳しいことは後で話すわ!!小銭もうないねん!!○○駅に来いや!」 「え?え?なんで?」 「驚かせよ思ってな!実は」ブチッ 「……切れた。」 ○○駅……って…最寄り駅だよね… まさか 「な、なんで……っ」 「ん〜?驚いたやろ?」 目の前にいるのは会いたくて仕方なかった… 「驚くでしょ!オサム…ちゃ…」 「会いたかった、りん」 あぁ、オサムちゃんも同じだった。 私と同じ気持ちだった。 「私も会いたかった……、オサムちゃん」 ぎゅっと抱きしめられて、オサムちゃんの匂いがした 夢じゃないんだ…… 「で、でもなんで……」 「この前お馬さんが大当たりしてなぁ〜明日休みやし…来ちゃったんは、ええけどケータイの電池なくてな。充電器買うのももったいないし。りんの番号なら覚えてるからえぇかなーって。公衆電話探して…」 「〜〜っ」 「泣きそうな顔すんなや」 我慢してるんやから そう動いた口をみて私は苦笑いした 今日は遅くまでおしゃべりして そして明日は思いっきり寝坊しよう 朝ごはんの用意をしながら、起きてきたオサムちゃんに おはよって言うんだ |