越野 1




「ユウジのテニスってどんな?」
「モノマネとテニスを融合したお笑いテニスや」


「それって……」


所詮、モノマネじゃん。

私はその言葉を飲み込んだ

『言わせない』

私をしっかりと見つめるユウジの目はそう言っている気がした

「ふ…そんな怯えた目すんなや」

私は怯えていただろうか。

「わかってんねん。技のコピーなんて所詮ニセモンや。俺も、仁王も樺地も。」

「ユウジ……」

「俺は天才やあらへん。金ちゃんも千歳も……別格や。あれは俺とは違う。違うと分かってても憧れる。天才になんてなれへんのに……」


「ユウジ!!」

驚きながらこっちをみたユウジの目はいつもより弱々しくて


「天才?なに言ってんの?ばっっっっかじゃない?勝ったもん勝ち!!!!勝ったらいいの!天才なんて知らん!ユウジはユウジ。モノマネでもなんでも勝てばいいの!」

「越野……」

「勝ったもん勝ち!!!!!!」

「せやな!」

「勝ったもん勝ち!!!!!!!!!!!!!」

「わかったって」

「勝った!!!!!!もん!!!!!」
「やかましいんじゃ!!!!何回言うねん!!!!」


キレツッコミをいれて豪快に笑う私たちは



天才にも負けない、最強なのです





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