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畳にひっくり返した小さな湯飲みを挟み、松永と二人で対峙して座る。
その湯飲みの中にサイコロが入っていることは明らかで、二人が賭け事に興じているのも明らかだった。
「半。」
「丁!」
湯飲みを取る。
下から出てきた二つのサイコロの目は半。
「うあーまた松ちゃん当たった…」
「そら、次だ。
丁。」
「半!」
丁。
「半。」
「丁!」
半。
「何で松ちゃんばっかり当たるんだ…」
「卿も粘るな。」
「だって当てたい…。
……あ!分かった!」
「次だ。
半。」
「半!」
半。
「丁。」
「丁!」
丁。
「…楽しいかね?」
「うん!」
「そうか。
丁。」
「丁!」
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