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「しりとり、りー……利食い。
はい松ちゃん。」
「なぜ冒頭から不穏な言葉にする。
異名。」
「浮き世。」
「黄泉。」
「みなぎる。」
「る………類似。」
「呪文。
あ。」
間違えた途端、べしっと頭頂部に手刀を食らわされた。
「んが付いたからかな。」
「何が他にある。」
「る…留守。」
「続いていたのかね。
素性。」
「閏。」
「浮き世。」
「あ、二回目!」
光よりも早く繰り出した手刀はまさかの確率で松永に避けられた。
「なん…だと…」
「上値。」
「ねんごろ。」
「ろくろ。」
「魯山人。
あ。」
べしっと次は額に食らわされる。
相当痛いらしくしばらく畳にもんどり打った。
「松ちゃんせこい!」
「いやはや、卿が避けないのが悪い。」
「次やったら鳩尾責め尽くすからね!」
「さらりと恐ろしいことを…」
「ろ……炉端。」
「暖炉。」
「…労働。」
「うろ。」
「……露風。」
「迂回路。」
「………廊下。」
「海路。」
「…うがー!!」
「ははは。」
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