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「俺は何だかんだでこいつを妹みたいに思っていたんだよ、それで雛の字を入れて雛菊にしたのに…」
「雛に雌を攫われちゃたまらねえな」
「そう!だからもうこの名前は使わねえー!って俺がキレて紫菊に変えたんだ」
「そういう事かよ…」
意外なところから理由を教えられた政宗が、呆れたように私と慶次を見比べる。
こう思い出すと偶然とはいえ、なかなか慶次には悪い事をした。
「まあ結局孫市の伴侶になるのも契約で、恋愛じゃないらしいから俺も割り切れたんだけどさ」
「千代を倒せばお前との契約も考えるぞ?」
「さすがに妹分と殺しあえねえよ……ああもう!飲もうぜ独眼竜!」
「All right!その意気だぜ慶次!」
「千代、我らは風呂にでも行こう」
「おー!」
飲み明かし、語り明かした慶次との宴会は真夜中まで続いて。
途中で酔っ払った二人が「やっぱり風神よりも俺の竜の方が強いに決まってんだろお!」「それだ!俺はそれに華麗な華々を描いちゃうもんね!」「Good ideaじゃねえか!壁一面を埋めるぜYeah!」と騒ぎ出したので孫市と部屋を引き上げた。
次の日の朝、二日酔いのまま小十郎に叩き起されて畑仕事へ連行される伊達と慶次を見かけた。
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