松永久秀 | ナノ


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5、お絵かき




「矢でも鉄砲でも持ってきやがれ!
俺は何をされても吐かねえぞ!」


「という面倒な輩を瞬時に従わせる方法が欲しいとは思わないか?」

「思うけどそれを私の槍に求めるのは間違ってるよ松ちゃん。」



珍しく呼び出されたと思えば松永の片足の下には簀巻きにされた見知らぬ男。
口振りからして重要なことを知っているのは間違いないが、口はずいぶんと固そうだ。



「私は興味のない相手をなぶるのは得手ではなくてね。」

「んー、私の槍は倒す用だし。
口の代わりにお腹なら割れるけども。」

「割った瞬間に話さなくなるじゃないか。
では何か尋問に役立つ物は持っていないか。」

「前に風魔の描いた絵ならあるけど。」

「それでいこう。
そら。」

「ッぎゃああああああ!
なんっ、何だそりゃああああ!!」

「鹿だよ。」

「んなおぞましい鹿がいてたまっ…ひいぃい近づけんじゃねえこの野郎ぉ!!」



簀巻きのままでどうにか逃げようとする生き物を足で制し、より一層絵を近づければあっさり情報を吐いて陥落した。



「…徳川の紋所よりも効き目があるな。」

「私風魔にもう二つ三つ描いてもらってくる。」

「犬と熊で頼む。」

「目がああぁああ!!」





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