「ザン君白目できる?」
「…普通できんだろ。オラ」
「すげー!ザン君こっわー!私もやるやる!」
ガチャッ
「お、お前らこんなとこにい…ってうおぉい!なんで二人して白目なんだぁ気味悪ぃ!」
「何だカスか」
「これ何も見えないね」
「良いからそれやめろぉ、夢に出るぜぇ…」
「スッ君〜」
「ぎゃああその目でこっち来んじゃねぇ!怖いからマジでぇ!」
「キャラ変わってんぞ」
世界の作り方
あまりに朝にからかいすぎたのか、その日の登校車中のスクアーロは二人とまったく目を合わせなかった。
羊は何度も謝っていたがザンザスはいつも通り微塵も悪そうな素振りを見せないので、昼に差し掛かるころには逆にスクアーロが折れていた。
「もうすんじゃねえぞぉ…」
「しないってば。ねーザン君」
「しないしない」
「(絶対ぇ嘘だ…!)」
今日は屋上に上り晴天の下で昼食。
あれから羊は九代目に追加でアドバイスを受けたのか、牛乳だけを持ってくることはなくなっていた。
自分とザンザスの飲み物用に二本持ち歩くだけにとどまっている。
ザンザスは相変わらず昼食を取りに行かないので、飲み物を羊が持ってくるなら食料を持ってくるのはスクアーロ。
購買で買った総菜パンをいくつかザンザスに投げてよこすと、かくて三人分の昼食がそろう。
屋上は本来立ち入り禁止になっていても、ザンザスの存在があれば大抵のことは学校内では許された。
「何かこう暖かいとあの日を思い出すよね」
「いつだ」
「初めて会った日とか」
「…冬だよなぁ、俺ら」
「…あれ?」
「待て、てめぇは誰に出会ったんだ」
「えええっとおかしいな。ちょっと待って今思い出すから。えーと…確かザン君達とは冬の日で……」
戻る