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素直な性格といえばスクアーロだろうか、と思い出す。




(うぉい名無し!
武器は手入れしてるかぁ!?
他の奴らからハブられてねえだろうなぁ!)

(大丈夫)

(ならいいがよぉ、何かあったらいつでも聞けよぉ、お前の叔父みてぇなもんだからなぁ!)

(あ、じゃあこの『バードキスとフレンチキスの違いを述べよ』っていうルッスーリアの宿題の答え教えてほしい)

(んなっ、なあぁあ!?)

(え?)

(ほっ保留だぁんなもん!
しっかり訓練しとけよぉ!!)



「……愛情表現が豊かって言うのは、保護者愛?」

「ううん、恋愛。」



それでは違うのでまた頭をひねる。
愛情表現豊か、と聞けばルッスーリアだろうか、と。





(んも〜本当に女らしく育ってくれて嬉しいわあ、今度の休みはまたお買い物に行きましょ。
年頃の娘にお洋服はいくつあったって過ぎることはないのよ)

(でもあまり肌は出さない服の方がいい…かな)

(あら、あなたの体に素晴らしくないところなんて一つも無いんだから何も恥ずかしがることなんてないわ。
まあそれは私も同じだけど♪)




確かにあの存在は思い返しても愛情表現豊富だ。
とまで考えて、実質男ではなかったことを思い出す。
これはおかしい、一人くらい普通に素直な人間はいるはずだ。

ベルは確か素直すぎるほど素直ではなかっただろうか。






(名無しー今日も王子と遊ぼうぜー。
あ、何その服おニュー?)

(腕にまとわりつくの好きだね)

(好き好き。
お前の目大きさは違うけどマジでボスとそっくりだよなー)

(…怖い?)

(ボスは睨むじゃん、睨むと怖いじゃん?
でも名無しは睨まねーから怖くねーよ。
睨むと怖いけど)

(そう)

(てか名無し見て見て王子の目、緑色のくせになんか最近充血してんの)

(ベルってまつげも金色なんだね)





「…いや、ベルはイタリア人じゃなかった。」

「ん?」

「何でもない。」



紅茶を飲むことでごまかしつつ、お国柄というものはそこまで信じないでおくべきなのか、自分の周囲がただ特殊なだけなのかが永遠のテーマとなった。



 


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