「……何が」

「だってイヅ気づいてるもん。私も知ってるもん。藍染隊長とギンさんが、何しようとしてるか」



もう誤魔化しきれないよ。

私たちの心は。




そう言うと、イヅがフウと息を吐く。
私は更地に戻し終わった雪を見届けてから縁側に座った。



「……僕だって分かってるさ、それくらいは」



ギンさんに教えられたわけじゃない、けど。
藍染隊長と一緒にこの場所をどうしようと思ってるのかくらいは分かる。

多分きっとそれが終わったら、どこか遠くへ行こうとしているんだろうと言うことも。






「市丸隊長が本当にどこか遠くへ行ったら、僕らはどうなるのかな」

「簡単だよ、イヅはここに残って副隊長を続ける。私はショックでどこかへ消えて存在自体なかったことにされる」

「それは、悲しくない?」

「そう?全然悲しくないし、これが一番普通だと思うよー。これならお話は何事もなく続いていくんじゃないかな」

「何のお話?」

「ジャンプ本誌のお話」

「リアルな話やめようよ。何だよせっかくシリアスっぽくなってきたのに。結局僕つっこんじゃったじゃないか」



それはイヅの性質であって私のせいじゃないよ。




「第一そうだったら、名無しの存在はここからなくなっちゃうだろ」

「うーん…まあそうだけど。でもさ、それがギンさんのしたかったことなら、それも良いかなって思うんだよ」










ギンさんのしたいことって私何も知らないから。
近くにいたけど、一つもそんなこと教えてくれなかったから。
藍染隊長としようとしてることがギンさんのしたいことなんだったら。

私はとても嬉しい。





「今は冬だから、次は春かー」

「ああ…僕らが、出会った季節だね…」 











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