短編 | ナノ






死神の頃と正反対な色を身に纏うのがどういうことなのかは、わかっているつもりです。


白い壁、白い廊下、白い世界に白い服。
あの方が作ったこの世界はどうしてこう白が多いのだろう、極彩色とまではいかないけれどもう少し色があっても良い気がする。
それほどまでに昔死神だった頃の黒色と決別したいのか。

白い部屋のすみっこで膝を抱えて見る風景は清楚で落ち着いた空間に見えるけれど、誰かが住んでいると言うにはあまりに、そっけない。
カチャリと音がして部屋の主が帰ってきた。


「ああ名無し、来てたん」


ええ来てました、さっきから。
部屋の主、市丸ギン、私を連れてきた張本人は相も変わらない笑顔を浮かべたまま私の前に座った。
皮肉なことにあてがわれた白い服はこの人が一番似合っている。
何の話をしてたんですか、藍染さんと。


「いつもと同じや、順調にいっとるらしいで」



世界を壊すのは。



 




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