あなたに残した置き手紙、探さないでくださいもうここに私はいません。
だからどうかあなたは向こうの世界へ行ってください、藍染さんと一緒にどうかここからいなくなってください。
いつもあなたのそばで明るくふざけていた私がこんなことするなんて、きっとあなたは夢にも思わなかったんだろうね。
嗚呼また足音が聞こえてきた。
お願いだからもう私を探さないで、そう思って今にもあなたの前に飛び出していってしまいそうな足を抱えて唇を噛み締める。
もう少し、もう少しだから。
起きるべき事件はすべて起きた、ギンが私に話してくれた計画の全てが今終わった。
あとはあの神様と一緒に高いところにある向こうの世界へ消えるだけ。
虚圏って、言うんだってね。
ほら早く早く行かなくちゃギン、時間がもうないことくらい分かってるでしょ、私を探している暇なんてないことくらい、分かってるでしょ。
名前を何度も何度も呼ぶ声なんて聞こえない、聞こえないんだから。
耐えて、耐えるの私。
あの人の前に行っちゃだめ、あの人をここに残しちゃ駄目。
ここにギンの居場所はないそれならせめてあなたを必要とする人のところで生きてください。
誰よりもあなたのそばにいた私だから、誰よりもあなたの幸せを知っている。
これだけは譲らないよギンあなたに何を言われようとこれだけは、だからお願い私。
もっと霊圧を小さくして、もっとしっかり体を抱き抱えて、今にも走り出しそうな足を押さえて
部屋の扉を開けてしまいそうな手を折り畳んで、あなたの名を叫びそうな声を押し殺して、あなたを思う心なんて、止めてしまえばいい。
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