「私入隊するなら三番隊に行きたいなー。市丸隊長のとこ」
「あー私も。京楽隊長もあいつは結構良い奴だよって誉めてたし」
「そうそう。何か気遣ってくれそうだよね」
通り道で聞いてしまった物凄い会話。
気づけ新人達あいつの本性に。(いや奴は人前で本性にを見せるようなヘマはしないか)
だがなぜ、なぜあの市丸隊長が。
「ちょっ!何で市丸隊長はいつも私をいじめるんですか!」
「せやかて僕名無しの泣き顔見るのが生き甲斐やから」
なぜ!
【二重人格の作り方】
市丸隊長は二重人格だ。
今の所それを知ってるのは私と副隊長だけ。
「名無しちゃん花札でもせぇへん?」
「ヤです!市丸隊長イカサマしますから!」
「十回に一回は勝たせたるよ?」
「全然その条件に魅力を感じません」
「ならイカサマ出来ない遊びでもしたら?」
「吉良副隊長…」
「現世のゲームならズルも出来ないだろ。オセロとか」
「せやなー」
「う…」
イカサマ出来なければいいとか言う以前に、私はこの人と遊びたくなかったんですが……結局やらされるんですか。
「じゃあ市丸隊長は黒いので黒ですからね」
「僕黒ないで?」
「いいえ心が真っ黒です」
―数十分後
パチッ
「次名無しやで」
「…………」
ちょっと待て。
オセロって白と黒の駒をめくりあうゲームだよね。
なぜ黒色しか無いのかな?
私目がおかしくなっちゃったのかしら?
いいやそんなわけない。
ってか私の番ってこれ…
「…置けません」
「んー?よう聞こえんなあ」
「…置けません…」
おかしい、絶対おかしいよ。
だって私角の四つ取ったもんコレは勝ったぜザマミローとか思ったもん。
何で残りの全部取られてんのさ…
「いやー角取らせて勝つのも難しいわぁ」
「やっぱりわざとかー!」
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