目の前と言うか足下には殺し終わったゴキブリの死体。
兄貴だったけど名前は忘れた。
「うしし♪」
なんかもっと色んな感情が湧くと思ったんだけどなー。
こうやってマジマジとかがみ込んで眺めても、死体は死体、俺は俺。
「あースッキリした。チョー気持ち良かったけど…こいつどうすっかな」
ぶっちゃけメッタ刺しのゴキブリの死骸なんてどうでも良いんだけど。
さすがに身内殺害なんてオレってばやりすぎ?
けどやっぱバレたら王とか(父親ね)王女とか(母親ね)うっせーしなぁ…。
あ。
こういう時はアイツじゃん。
「うしし♪」
オレはいつも持ち歩いているある召し使い専用の呼び鈴を鳴らした。
王子とメイドの
毒入りパイ
戻る