いつも何をしても私には甘いのにこれだけは変えてくれない、こだわるならもう少しましな物にこだわればいいのに。
元々執着が薄い性格に欲しい物を何度も聞かれればだんだん返答に困ってしまうもので、毎回頼んでいないものを探すだけで大変だ。
幸いザンザスは相手に「物」さえ届けばその後それがどうなったかなんて全く興味が無いようなのでいつももらった贈り物の山は一つだけ残してマーモンにあげている。
私はあの赤ん坊ほど物を売りさばく能力も金欲もない。
まあそんな感じで今までは何とか平穏にやってこられた。

だけど、そんな日々にも終わりはやってくる。



「…クリスマスかあ…」



クリスマス、別名恋人の日がもうすぐそこまで来ていて、それと比例して私がカレンダーを持ちながらベッドの上で悩む日は多くなった。
生まれた日が分からない私は誕生日という絶好のプレゼント攻撃の日をまぬがれてたけど、クリスマスだけは避けようがない。
ほんの少しザンザスのクリスマス知識のなさに期待したけれど、「クリスマスって恋人にいっぱい物贈る日らしーよ。」とあのトラブル大好き王子にしっかりと入れ知恵されていた。
そしてまたあの質問。



「名無し、欲しい物はあるか。」

「え、あー…」

「あるだけ言え」

「!」



あるだけ言え=一つくらいじゃ満足しませんよ発言。
さすがクリスマス、贈る方もスケールが違う。
そんなある意味の死刑宣告を受けて、場面はイヴ前日である今日に戻る。
ベッドの上で膝を抱えて少し真剣に悩んでみた。
一体どうすればザンザスの贈り物攻撃を止めることが出来るのか。




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bkm
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