「あ、本当だ。よく見たらレース入ってる」
「なー」
「見せてみろぉ」
ちょっお前ら揃いも揃って
人のスカート持ち上げんな。危ないだろうが。
「そんなわけないって!ねえルッスーリ…」
「なあに?名無し」
背後にブーケとベールを持っているオカマがいました。うわあすっごい良い笑顔。
「…これ、何?」
「私一度女の子に選んだウェディングドレス着せてみたかったのよ〜♪」
どうしよう、質問以上の答えをもらってしまった。
ガバッと生地をよーくよーく見たら細かい刺繍とか入ってるしどう触っても服の手触りではない。
しまった…普通の服だと思って安心してたから油断した!
「人に何着せてんの!?」
「えー良いじゃん将来着られるか分かんねーんだし」
「着とけ着とけぇ」
「君絶対この服だけは意図的に買ったでしょ」
「あら、分かる?体に負担の少ないカジュアルドレスを探すの苦労したんだから〜」
ぽわわん、と乙女のような空気を出しているルッスーリア。
悪意なく、本当に無邪気に買っちゃったんだな…。
それが分かったから怒る気もなくなっちゃって、全くもう…と諦めかけた時、外の廊下からこちらに向かってくる誰かの足音が聞こえた。
「レヴィ来たのかな?」
「レヴィは使用人達に早くクリーニングを終わらせるよう言いに行かせたから違うわよ」
「ああ、じゃあボスか」
そう言った瞬間、ピタッと体が止まった。
多分他の幹部も全員。
……ボスが来た!?
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