「いつにもまして凄い寝ぼけっぷりだね名無し」
「あ、マーモン…マーモンは小さいから分かるよ…。こちらの大きいのルッスーリア?」
「それ
柱だよ。パジャマ色分けされたんだから覚えなきゃ」
「んあ…そうだった…」
パジャマを統一したらしたで、私とベルとか、ボスと諸々とかの体格似てる組のパジャマを使用人達が分けられなくなってしまうから実は色分けをした。
白地に入ってる縦模様の線で。
「えっと紫がマーモンでピンクがルッスーリアだからこれがルッスーリアだね」
「そうよ。ようやく顔が見れたわね」
「で…あーいたいた、ボスがいた」
「あ?」
黒い線がボスで、唯一の横縞がベル。
おっけいここまでは大丈夫。
「モスカが緑で白がスクアーロだから…ああこれかぁ」
「だから
それは冷蔵庫だっつぅの」
「え?『氷ガ出来マシタ?』やだちょっとスクアーロおかしい…」
「ボォオス!やっぱこのパジャマ却下だ却下ぁ!」
――――――…
「……で、私に続いてベルも見間違え始めたからやめたんだよね」
「それであの時のストックがこんなに仕舞い込まれてたんだ」
「私は好きな格好で寝たいから良かったわよ?」
「元凶の君が言っても――」
「ゔぅん!ベルこれはまだいる?いらない?」
「王子寝るとき普段着派だし、いらねー」
「じゃあこっちに避けとこう」
ベッドの横に捨てる予定スペースを作って、そちらに一旦置いといた。
クローゼットから溢れた山は一回り小さくなった気もするけれど、依然としてまだまだ残っている。
「何かジャラジャラしたものがいっぱい…アクセサリー?」
「ベルはよく着けるわりに二度と同じ物を使わないから、放っておいたらすぐにたまるんだよ」
「解説しながらせっせと袋にしまうマーモンがマーモンだよね」
「あらん、これは?」
可愛い赤ん坊の商人姿を眺めていると、ルッスーリアがおおよそアクセサリーとは正反対な黒いコードの束を掴み上げた。
「すっげ絡まってんじゃん」
「ルッスーリア、もうちょい引っ張り出して見て」
「こうかしら?」
ずぼっと引き抜くと、ブドウかってくらいに鈴なりに繋がった大量のコントローラーが出てきた。
あ、これゲームのコントローラーだ。
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